六章 六日前

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『咲子は、浩紀の顔が見えなくなったの、かみおい荘に行ったことが原因やと思ってる?』 『わかんない。でも、思い当たるのはそれしかない。あのアパートに足を踏み込んだばっかりに、浩紀は呪われたかもしれん。いや、浩紀だけじゃない。私と翔真だって……』  その咲子の言葉に『呪いなんかない』と返したかったが、俺の口からその言葉が出てくることはなかった。 『もし、三人とも呪われているのなら、近いうちに俺と咲子にも何か起こり始めるはずや。その時まで指を咥えて待つか、呪いを終わらせる手がかりを探すか、咲子はどっちがいいと思う?』  責めるつもりはなかった。でも、咲子は俺の言葉を聞いて追い込まれたように声を震わせ、『私はただ……怖いだけ』と口にした。
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