悪魔の様な後輩

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「そこまで言うなら食べてく?どうせ1人分も2人分も変わらないから。」 『は。おいちょっと』 ズルズルと引き摺られて駐輪場にバイクを停めさせられてマンションに連れ込まれる。 …仕方ない。 食べたら帰る。 不味かったら散々罵ってやればいいだけの話。 まんまと蛇の巣窟に連れ込まれてしまったという事実に俺は気が付かないで呑気に入っていってしまった。 と言うかコイツマンションの何階に住んでんだよ… 「ん?ここ俺のマンションだから俺しか住んでないよ。」 俺のマンション? 家のではなく? 確かにチラリと見えたマンションの名札にはコイツの名前しか無かったがまさかの。 カードキーで扉を開けた瞬間凄いいい香りがした。 よく分からないが金持ちのいい匂いって感じ。 並べられたスリッパに履き替えてリビングのソファーに座る。 い、居心地悪ぃ… 高そうな皮のソファー、お洒落な観葉植物…バカデカいテレビに音響機器。 リビングに向かう迄に歩いた廊下に何ヶ所扉があったかは覚えていない。 天井が高いと思ったら2階へと繋がる階段を見つけて一々尻尾が反応してしまう。 無理帰りたい。 俺は帰巣本能が勝って立ち上がる度に声をかけられて逃げられない。 クソッバレてたか。 「先輩出来たよ。」 『あ、あぁ…』 すげーいい匂いがする… 俺は匂いのする方へと足を進ませる。
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