虎の求愛

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「こら逃げないの!」 俺はそそくさと逃げるように寝室へと戻った。 が、逆にそれが良くなかった。 寧ろそれは自分の逃げ場を失っただけだった。 鍵を閉める前に蛇が扉を思いっきり開いたからだ。 俺は思わず耳をピンと立たせて目を丸くさせる。いつの間に背後まで来てたんだよコイツ… 「猫ちゃんお仕置してあげよっか?あーさっき言ってた駅弁。」 ギクッ 「なんだったら今からしてあげるからおいで。」 『…』 ちょっと魅惑的な誘い方だったから乗ってやる事にしたんだが… 「筋トレさせられてる気がする。あー可愛いは重いのか」 『何馬鹿な事言ってんだ』 お前の体力不足なんじゃねぇの? 俺は呑気に隣で筋トレしながら答えてると青ざめた顔をされる。おいなんだその顔は。 「っ俺の猫ちゃん本当におかしいけど可愛い!辛い!」 『そら良かったな。』 じゃあそのまま苦しんどけ。
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