悪魔の様な後輩

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「また明日学校で。先輩」 『ん』 「お弁当作ったげようか?先輩」 『…』 尻尾を振りながら考える。 弁当… 母さんに一応弁当持たせて貰ってるんだが朝練で直ぐに早弁するからいつも昼飯にパンか食堂で食ってるのをコイツは誰かから聞いたんだろう。 「お肉たっぷり入れてあげますよ。先輩の好きな牛肉」 『…貰わんでもない。』 ふいと目線を合わさずにバイクに跨った。 パタパタと尻尾が激しく動いた所で俺が喜んでいるのに気がついていたのかバックミラーでみたら顔をこれでもかにやけさせる蛇が見えた。 やっぱり気持ち悪い。 「おやすみ先輩」 『ん』 ブォン… バイクのエンジンを吹かしそのまま一気にスピードを出して家へと向かった。 俺が見えなくなるまで蛇は手を振ってからポツリと一言。 「あぁ早く欲しいなぁ…俺の可愛い猫ちゃん。」 自分の唇を舐めた蛇の目はあの時みたいに歪んだ光の無い顔。 狂ってる蛇に俺はどうやら狙われてしまったという訳か。 「絶対俺の物にしてあげる…泣いても嫌がっても絶対に離さねぇよ…忠義」 蛇は1人楽しそうに笑みを浮かべて呟いていた。
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