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ネジが外れていた時代5~これで最終回にしたい、なんとか~
最近、全国を飛び回ってのクレーム処理の毎日です。
うおおおおお!
って叫びたくなるのを我慢して、今、駅でホタテ食べてます( ・∀・)モグモグ
ホタテ噛んでると、人間って無になれますね。
ふしぎ、発見!
ということで。はい、これで最終回にしたかとです。
ついに東京(千葉稲毛)に上陸した山城木緑。
そりゃ、学校も通わず何やってんだって話ですが、受験だけでしか東京に行ってないのは嫌だなと思ったんでしょね。10代で東京も知っておきたい、と。そうあの頃は思ったんでしょう。
何はともあれ、金欠です。
帰るに帰れないし、ヒッチハイクして、今度は京都を通り過ぎ、福岡の実家に行って「ただいま」という訳にもいきません。
心優しく一部屋貸してくれる八江くんに気持ちばかしの家賃でも、さすがに払わないと……。
「八江くん」
キッチンで料理している八江くんに、ふと話しかけました。
八江くんは朝ご飯を作ってくれていました。これから大学に行くそうです。
同性の同級生のヒモみたいになった人間は世界でも稀かもしれません。
希少種もしくは奇行種でございました。あの頃は。
いや、奇行種になるわけにゃいきません。
「八江くん、おら仕事したい」
「片付けしといてくれたらいーよ」
「いや、そーいう新婚夫婦的なやつじゃなくて。がっつりの仕事。バイト」
なにやら凝ったトーストを作ってくれた八江くんがひきつった顔でわたしに問いかけました。
「そりゃ、バイトの雑誌見たらいくらでもあるやろけど……うん……あんさ……うん……なんていうか……いつまでのバイト?」
優しい八江くんが、とてつもなく困った表情をしていました。さすがにその空気を感じたわたしは言いました。
「大丈夫、迷惑かけんけん」
聞き手が一番聞きたくない曖昧な返答。
八江くんはプロボクサーに殴られたのかと思うほどに顔を歪ませて大学に行きました。
「行ってらー!」(いや、お前も早く大学行け)
ここから細かく書いていくと、おそらく沢木耕太郎さんの深夜特急レベルの長さになっていくので、東京で起こったことを列記します。
おそらくエッセイとしては斬新な箇条書きです。
・日雇いの荷入れのバイトをする
・とりあえず東京タワーを見に行く(高所は怖いので登りはしない)
・西郷隆盛像を見に行く(外国人の男性に声をかけられ、マックを奢ってもらい、手を引っ張られてついていくとホテル街だったので、100m9秒47の速さで逃げました。ばり怖かったです)
・長崎くんの家にアポなしで行き、入れてもらえず、郵便受けに溶けたポッキーを置いて帰る。
・東大に行って、東大生に「おはよ」と言ってみる(「おう」と返してくれたので、東大生気分になれました)
・知らん駅で降りて、普通に迷子になる
・九十九里浜に歩いて行こうとして、おじいさんに歩いて行ける距離じゃないと言われ、八江くん家に戻りワイドショーをチェックする
・このままのバイト代じゃ足りないのでは?と多少気づく
・時々八江くんの機嫌を窺う
・代官山で服を買う
・八江くんに見せる
・お金大丈夫?と痛いところをつかれる
・今日は寝るね、と笑みで応える
・ヤバい、お金がない。となかなか寝つけなくなる
・このままだと八江くんと結婚するしかない、と人間性の欠片すら失いかける
・悪童、三浦に連絡をとってみる
↓はい、エピソードを箇条書きではしょりました( ・∀・)
プルプルプルプル
「…………ぁい」
「おう、三浦。おら、ピンチかも」
「そっか、頑張れ」
……ぷつっ。
注釈:もともとここに小梅太夫いました。
チッキショー
プルプルプルプルプルプルプルプル……
「…………はいはい?」
「山城と申します」
「百も承知」
「それは話が早い。あのね……おらね……」
……ぷつっ
注釈:もともとここにザブングル加藤いました。
くやしいですっ!
プルプルプルプルプルプル
「もう、いい。来い」
「行くわ、おんどりゃあ!」
おちょくられながらも、悪童三浦に頼るしかない。ヤツならば短期で稼げるバイトの一つや二つ知っているだろう。
「こんちゃあーす」←深夜1時
三浦の部屋は煙草の煙でエベレスト山頂みたいになっていました。
煙の向こうに三浦とあと誰か、いる。
「三浦、単刀直入に言う。俺は金がない。京都に帰れん」
「お前に貸す金は15円しかない」
「分かった。恩に着る」
チャリン。
三浦は10円と5円をわたしの手のひらへ投げ入れました。
「ありがとう」
「おう、元気でな」
パタンっ。三浦の家のドアを閉め、手のひらを開きました。……15えん。
「こらこらこらこらーー( `Д´)/」
このノリツッコミがわたしの人生を変えました。
笑う三浦の後ろで何やら闇ありげなイケメンが佇んでいました。ふふ、と笑っていました。
なんだ、こいつは。
ただならぬ雰囲気に、わたしは尋ねました。
「あんた誰?」←スタンダード
ビジュアル系のようによろめくような立ち方で、彼は立ち上がりました。
「お前面白いね。店来る?」
髪がところどころ青い。(←昔は時々あったのです)
唇から耳にほっそいチェーンが伸びている。
そして、不健康そうだ。
なんだ、この怪しいヤツは。
「行くー( ・∀・)」←ばか
その後何日かして、わたしはそいつに連れられ、新宿に行きました。
今はどうなのか知りませんが、新人ホストはみんな一緒の部屋での寝泊まりを強いられるので、わたしは八江くんに別れを告げなければなりません。
「八江くん、オラ、ホストになるんだぞ」←クレヨンしんちゃん調
「ダメやって。マジでダメやって!」
八江くんは最後まで優しい。
「でも、帰れんけん」
「……無計画すぎるって」
八江くんは最後まで痛いところもついてくれました。
「じゃ、ちょっと行ってくるね」
ごまかすように逃げるように、わたしは八江くんのもとを離れました。
八江くん、勉強頑張って。←お前は68倍頑張れ
そして、やってきました。
クラブミラージュ。
今はあるんだろうか? あるわけないか(・ω・,,)
昔はホストクラブとは言ってなくて、「クラブ」でした。そして、今ほどかっこよくもない。そんな世界。
三浦の部屋にいた◎くん(実はあの頃の人たちの名前は全部忘れちゃってます)と待ち合わせ、さすがに緊張しながら地下への階段を降り、そこで待っていたのは、今のかまいたち濱家にそっくりの人でした。
すごくかっこつけて偉そうだけど、全然かっこいくない(゚Д゚ ||)
初対面の印象はそれで、正直優しそうな人だとホッとしました。
「お前さ、星那だよ。星があるかもしれないって思うだろ? 星那だよ」
……
……
……
は?(´・ω・`)?
ここから、人生の中でほんの少し呼ばれた星那時代が始まります。
うんと、おしまい( ・∀・)
最終回じゃねーのかよ。
というわけで、続きます。でも、早く終えたいですw
はい、現在9/26(土)の21:30です。
もちょっとしたら、とのさんの番組が始まります。
楽しみだ(*‘ω‘ *)
そして、こんなエッセイを書いていて、申し訳ないと思っているんDEATH。
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