序章

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序章

25××年。世界は生まれ変わった。力こそが全てを支配し、弱い者は捨てられ、強い者こそが生き残る実力社会となった。 全ては百年前の大厄災--無力な子供ですら明日を疑わぬような平穏な日常に満ちた世界を突如全世界を数多(あまた)の隕石が襲い、街は崩壊し、国家は機能を失い、全世界の人口の半数以上が死亡したとされている。 全てが倒壊し、秩序の失われた世界では必然的に犯罪は爆発的に増大した。 それは百年経っても変わらず、国家機能も復活しないまま未だ多くの荒廃地を残し、傷跡を存在させる人類が復興した街にはマフィアを筆頭に殺し屋や売人等、犯罪者が表立って蔓延る世界に変わり果てていた。 弱者は飢餓に苦しみ、身寄りのない子供を含めた人間は性別関係なく人攫いに売買されるかその命を理不尽に狩られるかが大半だった。 生きたいのならば、生きるだけの力と権力を持つしかないのだ。
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