5.「代わりに打つ!」

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 わたしが、梶君を見つめていると、 「蒼井さん、恋愛小説、進んでる?」 梶君は話題を変えて、わたしの小説の進捗状況を聞いてきた。わたしは縦に頷くと、 「うん、だいぶ進んだよ。もうすぐクライマックス」 と答える。 「そう。じゃあ『若葉小説大賞』の締め切りには間に合いそうだね。改稿と校正は俺も手伝うよ」  梶君の申し出に、 「ありがとう!」 とお礼を言った。 「梶君の方も、ファンタジー小説進んでる?……前から思ってたんだけど、今、梶君が書いてる小説って『霧島悠』の新作だったり……する?」  実は、わたしはそんなことを考えていた。そして、あわよくば――。
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