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「で、出来た……」
わたしは小説用のルーズリーフのファイルを掲げ、感動の声を上げた。
印刷所の締め切り日の前日。わたしは合唱部をお休みし、梶君と、図書室で臨時の部活を行っていた。
「本当?」
すでに自分の分の小説は書き終え、のんびりと本を読んでいた梶君が、顔を上げてわたしを見た。
「うん!バッチリ」
「それなら後はパソコンで清書だね。時間、間に合うかな……」
梶君が顎に手を当て、考え込む。
「コンピューター室のパソコンを使えるか、松峰先生に聞いて来るよ。それと、明日の締め切り、何時までなのかも」
立ち上がった梶君に、
「わたしも行く」
と慌てて声をかける。
わたしたちはカバンを持って図書室を出ると、職員室の松峰先生の元へと向かった。
小テストの答案をチェックしていた松峰先生に「小説が仕上がったけれど、わたしの分は手書きなので、パソコンで清書をしたい」と話すと、先生は、
「出来たの?良かった!清書、間に合いそう?締め切りは明日中に出してくれれば大丈夫だから」
と教えてくれる。
「間に合わせます」
梶君がきっぱりと言い切ったので、わたしは心強く感じた。
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