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さっそく、教室の机の上に並べていると、漫画研究部の部員が3人近づいてきて、
「それが文芸部の本?」
「一冊もらっていい?」
「私にもちょうだい」
と声をかけてくれた。わたしは気恥ずかしく思いながらも、
「はい、どうぞ」
と、えんじ色のネクタイをした2年生の先輩たちに手渡した。
「いいなぁ~。漫研もこんな本、作りたいなぁ」
「本当」
先輩たちが本の中を見ながら羨ましそうに話している。もう1人の先輩が、いいことを思い付いたというように目を輝かせ、
「そうだ!来年は、漫研と文芸部で合同誌を作らない?私たち、挿絵を描くからさ」
と、わたしと梶君の方へ身を乗り出した。
「それいい!」
「やりたいやりたい!」
他の2人の先輩も乗り気になり、わたしたちをキラキラした目で見つめてくる。
(合同誌……挿絵……)
わたしは自分の小説に挿絵が付いたところを想像してみた。
(挿絵が付くなんて、素敵。漫研と合同誌、わたしもやりたい!)
期待を込めて梶君を振り向くと、梶君は、ふっと笑って、
「いいんじゃない?来年はそうしようか」
と言った。
「やったー!」
「漫研も大歓迎」
「今からもう来年の文化祭が楽しみになってきた」
「って、今年の文化祭、これからだし」
わたしと先輩たちは、4人で手と手を取り合って小躍りして喜んだ。
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