1.ぼくの一日

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1.ぼくの一日

 「おはよう、ママ!」  「おはよう、春翔!今日から年長さんね!」  「うん、とうとう一番のお兄さんだよ!ぼく、ハムちゃんのお世話係が出来るんだよ!」  ハムちゃんは、保育園で飼ってる茶色のぶちぶち模様のちょっと巻き毛のハムスターで、年長さんがお世話をしてるんだ。  「そっかー、楽しみだねぇ。」  「うん、とーっても、楽しみ!」  ぼくは今からワクワクして、嬉しくて仕方がない。  だって、ずっとハムちゃんのお世話をしたかったんだ。  でも、それは年長さんにならなきゃ出来なくて、年中さんのぼくはケージの外から眺めているだけだった。  「ぼくね、ハムちゃんのお部屋、きれいにおそうじしてあげるんだ!」  「うん、綺麗なお部屋は気持ちいいもんね。」  「あとね、こまつ菜もいっぱいあげるの!」  「うん、野菜は大事だよね。」  「それから…ヒマワリの種も!」  「うーん、大好きなモノはほどほどにね?食べ過ぎると、お腹、壊しちゃう。」  「過ぎたるは及ばざるがごとし?」  「はは…年長が使うか…」  「ほら、はる、そろそろ時間だよ。」  パパが声を掛けてきた。  「はい!じゃあ、行ってきます!ママ。」  「はい、行ってらっしゃい!」  「じゃあ、行ってくるよ。奏さん。」  「よろしくお願いね、史郎さん。」  僕のパパとママは、お互いのことを名前で呼ぶ。  保育園のおともだちのところはパパ、ママかお父さん、お母さんなんだけど。  ママに言わせると、これはパパとママの仕事の関係らしい。  まあ、僕にとってはパパとママが仲良しなら、どっちでもいいんだけど。    
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