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(「愛には偽りがあってはなりません。」)
(!? え?なに?うるさいわね~~!集中できないじゃない!)
十字架神に悪態をついた瞬間、思わずセンスアーレの舌先がロードの喉まで入ったようだ。
・・・・! ゲホッ!ゲェッッホオ!!プゥハア~~!!
ひどい咳き込みをしながら、芦田ロードが目を覚ます。
「! ぁあっ!! てめえはセンスアーレ!!また来やがって!
あ、悪霊退散!!か、神の名において・・・・」
身をよじってテーブルに置かれたままの十字架に腕を伸ばす。
先から度々の説教で私の恋愛タイムを邪魔している、うっとおしい十字架に。
伸びたロードの右腕と上半身に寄りかかりながら、胸を押し付ける。
(いいの!このままでいて。命まで獲ったりはしないわよ。
・・・・今夜は。)
「こ、今夜はだとお!?じゃあ、結局いつかは俺を殺しに来るんじゃないかよ!このオカマ悪魔野郎!!」
声を張り上げるロードの胸元に自らの胸を擦りつけながら、
(ほ~~ら、ほら、ロードの好きなおっぱいよん。ほ~ら、ほら、静かにして♡)
「・・・・。あら。確かに気持ちいいけど。・・・・
いやいや、神様なんとかしてくださいよお!俺は明らかに悪魔に誘惑されてんですよお?!ほらあ、現行犯でしょ、現行犯!」
(「すべての人と平和にすごしなさい」)
「・・・・いやいやいや、そういうことじゃなくて!」
(そう!これ。この油断だらけのまったりした雰囲気。
にぎやかだけど平穏な感じ。この国独特なのかしら?
どうであれ、この時空は壊したくないな・・・・)
センスアーレのこの葛藤が続く限り、抱く悩みが解決されることは
あるまい。
おしまい
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