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―― 知識の泉
歴史、文学、算術、占学、天文学、
政治経済、薬学、語学、地質学、
哲学、芸術、自然科学、帝王学
ありとあらゆる学識と知恵が、湧き上がる泉のごとくその身を満たしていることから、いつしかエリーゼは、そう呼ばれるようになっていた。
『 かの姫には、十の賢者の価値がある 』
『 難問珍問、厄介事は、ルーベシランの姫に相談するが良い 』
噂が噂を呼び、いつしか。
「エリーゼ姫、じつはわが国は長引く財政難を抱えており、どうかひとつ、賢姫のお知恵を拝借できないでしょうか」
ルーベシランの謁見の間にやってくるのは、あれこれ頭痛の種を抱えた各国の要人たちばかりであった。
婚姻話は、この一年ない。
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