かぞくの愛

8/8
前へ
/8ページ
次へ
「あのお母さん  これからどうするのかしら・・・」 「さぁ  それを決めるのも本人ですからっ」 男は仮面を被ったまま サンドイッチにパクつく。 「・・・あなた、それどうやって食べてるの・・・?」 「どう食べてると思います?」 「・・・エスパー」 「では・・・モグモグ・・・そういうことに・・・モグモグ・・・しておきましょう。しかしあそこのお店のサンドイッチは絶品ですねぇ♡国産合挽き肉100%のハンバーグとパンの相性がこれまた♡あ、これ紘汰さんのアイデアだそうですよ。」 「・・・あれ?」 パンに染み込んだコクの深いソースが、わずかにはみ出た。 「・・・デミグラスソース・・・」 「ねぇ  聞きたいんだけど。」 「はい?」 「売られる前の記憶が残ってるのって・・・売った張本人だけなの・・・?」 男は最後のひと口を放り込むと ニヤリと笑う。 「作者様のご想像にお任せしますよ。なんたって ここは貴方が作り出した世界なのですから。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加