歩き出した操り人形と寄り添う日本人形

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「いえ、私は神無さんのお部屋に泊まります。」 「そう?なほが無理をしてないのなら別にいいんだけれど……とりあえず店に必要な物を買いに行こう?」  そう言うとなほはコクンと頷いてくれた。着の身着のままで連れてきてしまったからな、色々と必要な物があるだろう。  なほにどこに買いに行きたいか聞くと、彼女は普段ほとんど買い物をしないらしく……お任せしますと言われてしまった。  彼女から必要な物を聞いて、夜遅くまでやっているディスカウントストアへやって来た。 「神無さん、このお店色んなものが並んでいます!いつも行くお店と全然違います。」  初めて見るディスカウントストアに少し興奮気味のなほ。滅多に見られない彼女の表情が見られて僕も嬉しい。 「神無さん、これは何ですか?あ、あれも何かしら……そっちも。」  なほはあちこちを見て回っている。持っているものが何の商品なのかを教えてあげると、子供のような笑顔まで見せてくれる。  だけど、あまりにも他の物ばかりに夢中になっているから…… 「なほ、ちゃんとお泊りに必要な物を買わなきゃダメだろ?」  そう言って彼女の頭をポンポンと撫でてあげると、真っ赤な顔して僕を見るんだ。この様子じゃ【お泊り】の事はすっかり忘れていたんだろう。  ……楽しいのは分かるけれど、少しは僕の事も意識して欲しいんだけどな?
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