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奇形になった遊行者女性。
・奇形になった遊行者女性。
昔、各地を『巫女だ』とか、『預言者だ』とか言って歩き、だましてきた女性がいました。
さまざまなお告げのようなものを有難がられたりしたと言います。
ですが、あることが村の住人の逆鱗に触れて火あぶりにされたといいます。
まだ『魔女』を信じている村だったのでしょうか。
訪れた先での嫌がらせによって奇形になった女性たちは、昔から盲の女性たちが暮らしたとされる集落へ向かいます。
遊行者・流浪者はみな、その集落の存在をはじめから知っているといいます。
なぜ知っているのかまでは分からないのですが、とにかく、余生はそこで暮らそうと考えるのでしょうか。
美貌の流浪者でケガを負わずに済むほうがめずらしいのかも知れません。
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盲女性たちが暮らしていた集落は一度、滅びかけたことがあったそうです。
一斉に住民が亡くなったことがあったとか、誘拐されたことがあったとか、言われているそうです。
いろいろな話を聞いていくなかで、どうしても『嘘』をつかれることがあります。
人間の脳はいい加減にできていて、記憶違いをしたり、記憶が書き替えられたりすることがあるらしく、そういう事情なのかも知れませんが、嘘つきは多い。
昔、何かの本で、山谷、ドヤ街や、ホームレスに話を聞くと、自分の生い立ちから経歴までを物語風に語る人間が多い、という話を読みました。
壮絶な人生を送っているという自負があれば、自分の人生を語りたくなる、そして脚色したくなるといったところでしょうか。
Eさんのエピソードを紹介しましたが、あの話はいわゆる神話的なものなのかも知れません。
本当かも知れないし、語り継がれている幻の話なのかも知れません。
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