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何も知らない男性がいつも通りに現れました。
Eさんは川で体を洗っていました。
石の角で足の指を切ったようです。
男性はEさんの足の指を洗い、口に含みました。
Eさんはさっきの恐怖がよみがえり、おぞましくなって男性を蹴りました。
この男性も、きっと同じなのであろう。
そう考えます。
そして、Eさんの顔をかわいくないと思わせたと、憎しみすら覚えました。
『今日はおとなしいね。どうかしたのかな』
男性は訊きます。
Eさんは男性と一緒に過ごすことが苦痛になりました。
そして、Eさんは男性に訊きました。
『集落の周辺はどんな感じですか? 高い山とか、谷とか、絶壁とかがありますか?』
男性は答えます。
『あるよ。とても危ない場所があって、ここへ来るときにいつもハラハラするんだ』
Eさんは『そこに立ってみたい』と言いました。
男性はEさんの手を取り、その場所へ連れていきます。
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