はのようせい

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「世界の国では、木の枝が歯ブラシがわりの人もいるし、歯磨きの大切さを知らないまま大人になる子もいるよ」 ええー、そうなのー、それじゃあ虫歯になっちゃうじゃん、と口々に生徒たちが声をあげた。 「歯が健康だと、体も健康になるとも言われています。よく噛んで食べ、食べた後はしっかり歯を磨いてくださいね」 「はーい」 皆が声を揃えて返事をする。 (ちゃんと歯磨きしたら、私も銀のコイン、もらえるかも) 解決策を思いついたみちるは、その後染め出した歯を真剣な顔つきでブラッシングし、先生にすごく褒められたのであった。 それからしばらくして、2本目の歯が抜けた。 勿論、妖精さんが気づきやすいように枕の横に置いておいた。 しかし翌朝、置かれていたのはコインではなくまたもやお札であった。 しかも見たことない柄の。 「これは100ドン札だね。多分本物じゃない?」 望のスマホで画像検索してもらうと、ベトナムのお金であることが分かった。 「外国のお金なの!?」 みちるは歯磨きを頑張って良かった、報われたと思った。 「うん。日本円にすると…0.46円だって。一円にも満たないけど、外国のお金なんて妖精さんも粋だねえ」
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