クリニック

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はぁ~、今日も疲れた。 足が棒って言うのはまさにこんな状態のことをいうんだろう。 脛を軽く押してみると指の形にむにゅっとへこむ。 ・・・しっかりむくんでる。 そりゃ、昼休みもほとんどなく朝から夜までバタバタと働いていたらこうなるか。 水沢果菜(みずさわ かな) 25歳 内科クリニック外来ナース 只今、絶賛インフルエンザ流行中につき超多忙ナリ。 本来19時までが診療時間なのだけど、来院患者さんが多すぎて大幅に昼休みを削っても診療が全く終わらない。 検査に診察介助に点滴にと朝7時半から21時近くまで立ちっ放しでクリニックの中をバタバタ走り回って仕事をしていたらそりゃ足もむくんで当り前というもの。 慣れとは怖いもので、10分間でお昼ご飯と歯磨きを済ませ他のナースと交代しながらとるお昼休みにも身体が馴染んできている。そろそろうちのクリニックのスタッフ全員が履歴書の特技欄に”早食い”と書けそうだ。 患者さんたちには少しでも早くドクターの診察を受けさせてあげたいのだけれど、うちのドクターは基本的に一人だけ。だからそれ以上に受診者数が多すぎるのだ。 この季節、どこの病院も診療所も患者さんで溢れている。大変なのはうちだけじゃないはずだけど、うちのセンセイは評判がいいからどんなに待っても診て欲しいという患者さんが一定数いるのも事実で・・・。 どんなに業務を見直しても受け入れる人数には限りがあり当然一人当たりの診察時間は短くなり待ち時間は長くなる。 そこでナースが問診後、予備診察をし症状に合わせて処置をするため患者さんの間を慌ただしく動き回るわけだけれどもーーーやはり終わらない。エンドレスな毎日。 待っている患者さんもとてもとても大変だけど、診ているこちら側もかなり大変なのだ。個人開業医であるうちのドクターが倒れたら…と思うと気が気ではない。なるべくドクターの仕事を減らす心配りも大切な仕事になっている。 ただでさえ命を扱う現場で気を抜けないのに、こう毎日張りつめた状態が長時間続くと身体だけでなく心まで疲弊してくる。 帰宅してすぐに入浴を済ませてソファーに転がると、もう動く気力は無くなっていた。
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