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・・・疲れた。
帰りにコンビニで買ってきた夕飯用のサラダを冷蔵庫に取りに行くのも面倒くさい。このまま寝てしまいたい誘惑に駆られるけれど、それじゃだめだと気を取り直しチキンサラダとおにぎりを口にした。
生まれて25年、大きな病気もインフルエンザにも罹ったことはないけれど、この先も罹らないという保証はない。
食べて、しっかり寝る、これが私の健康の基本だ。
明日もたくさんの患者さんが待っているはずで、診療する側が倒れている場合じゃない。もうしばらくの辛抱。たぶん。
ーーーそういえば、楽しみにしていたドラマの放送、今夜からだったかも。
私の好きなイケメン俳優西隼人が主演する連続ドラマ。
それが始まるのに今の私にはゆっくり観ている余裕はない。番組は毎週録画予約にセットしてとにかく寝よう。いつ観ることができるかは不安だけど。
買い替えたばかりのお気に入りの羽毛ふとんに包まれるとすぐに睡魔はやってきた
ーーーーんん、うるさい電子音。
ーーーもうっ、誰っ!?
眠りに落ちてすぐに聞こえてきた電話の着信音にイラっとする。
枕元に置いたスマホをたぐり寄せ、画面を見て相手を確認するのも面倒くさくてそのまま電話に出た。
「---もしもし?」
「あ、果菜。私、私。ねえ、もちろんドラマ観てたよね」
「…美和」
「やだ、変な声出して。なあにもしかしてもう寝てた?」
電話の相手は高校の同級生、美和だった。
彼女とはクラスも部活も同じでしかも西隼人のファンという共通点があって仲良くしていた。お互いに仕事が忙しくて最近は数か月に一度程度しか会えていないけれど、連絡は取り合っている仲だ。
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