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恋人リクエスト
哲也「そうか、やっぱり恋人宣言されたりすると、絵里でも・・ごめん! 女性って嬉しいものなんだね」
絵里『私・・嬉しいなんて、一言も言っていません! 面白い!って言っただけです』
哲也「どっちにしたって、ポジティブな気持ちになったってことでしょ⁉」
絵里『・・・もういい!』
哲也「でも、同じ事務所なら普通、噂の一つも聞こえてきそうなんだがね?・・だって、殆どの先生方は既婚者だし・・・君!それってまずいんじゃない?」
絵里『どうしてまずいの? 恋人宣言した方って、独身者のはずですよ⁉』
哲也「独身者? この事務所で独身者って?・・えぇっ僕しか居ないよ?」
広い会議室には二人しかいないはずなのに、哲也は周りを見渡した。
絵里『そんなことしても、誰も居ないわよ! どこ見てんの?・・あなたよ!
どう考えても、あなたしか居ないでしょ⁉』
哲也「僕が?・・まさか? 僕、恋人リクエストなんかした覚えなんてないよ、特に君にはね!」
絵里『よくも・・まぁ・・あなたって、毎日のように私に声かけて来てたじゃないの! 特に朝の挨拶の時なんか・・』
哲也「そりゃ、朝なら・・“お早う”ぐらい誰でも言ってる挨拶だろ・・そのことだったとしたら、つまりそれは社交辞令だよ!」
絵里『でも、あなただけは、違ったわ!』
哲也「どう違ったんだよ?」
絵里『挨拶と一緒に、必ずエールをくれたじゃない?』
哲也「エール?・・」
絵里『笑顔よ!・・あなたはいつも“お早う”の言葉の後には必ず、素敵な笑顔もくれたでしょ⁉』
哲也「それって普通だろ?・・難しい顔して挨拶したって意味ないし、それに・・そんな奴居ないよ!」
絵里『・・もうイイッ! あなたが、言い出したことでしょ⁉』
哲也「僕が?・・何を?・・」
絵里『・・彼氏、居る?って聞いたでしょ! だから “まぁね” って言ったら、あなた、どう言ったか覚えてる?』
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