case. 0

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「さて。なんだかよく分からんが、お前は何が出来るんだ?」  アンドロイド工学が進んできた現代でも、そのレベルは様々だ。  人工知能で会話が出来ると言っても、「よく分かりません」や「聞き取れませんでした」が度々出てしまうようなら助手としても不十分だ。 「人間に出来ることであれば、大半は出来ると思います。会話は日本語が設定されていますが、他にも何か国語か対応可能です。博士も言っていましたが、人間に紛れて潜入等が出来るよう、基本の作りは人間と同じです。食事を摂ることも出来ますし、摂った分は内部で分解され、一定時間を過ぎると排出されます」 「え、うんこ出るの? どんな?」  内部の構造を説明されても分からないが、食事機能すらないポチたちと比べて随分と人間的な機能に思わず反応する。 「……ハルさんは排泄物に多大な興味を示す、と」 「おいやめろ、俺を変態みたいにインプットするな。というか、ハルさんってなんだよ」 「いけませんでしたか。それでは次の中からお選びください。ハル様、ハルちゃん、ハルルン、ハリー……」 「ああ、もういい。ハルさんでいい」  顔も洋風だし、人をファーストネームで呼ぶ設定にでもしてあるのだろうか。 「そのほか、運動機能も人間と変わりません。逆に人間以上の過度な動きはしないようにストッパーがかかっているので出来ません。知能は恐らく日本の大卒レベルはあるのではないかと思います。一般常識、法律、医学、科学、コンピュータ関連はある程度網羅しています」  それは余裕で大卒レベル以上では、と思いつつ、ひとまずロイドが一定のレベルを超えているようで安心する。  ロイドの自己紹介が終わったようなので、今度はロイドに興味津々のポチとその周りを飛び回るライムをまとめて抱き上げて紹介する。 「よろしくお願いします、ポチさん、ライムさん。ちなみに先程から私の後ろをついてきているこの子はなんという名前ですか?」 「ああ、そいつはカブト。重い荷物の運搬に特化したロボで、お前の入っていた箱を部屋の中に運んだのもそいつ。珍しいな、カブトが積極的に出てくるなんて」  そう言うとカブトは心なしか恥ずかしそうに物陰に隠れてしまった。 「で、四階の寝室にいるのがメリー。メリー、期間限定で助手になるロイドだ。こいつは侵入者じゃないから、うろうろしていても警報機鳴らすなよ。ロイド、今日は午後に依頼人が報告書を受け取りに来るから、そのあいだはこの四階に隠れていてくれ。さすがに今日来たばかりのお前をいきなり人前に出すわけにはいかないから」  羊の鼻筋を撫でながら言うと、「ロイドさん、よろしくお願いします」「メリーさん、こちらこそよろしくお願いします」と二人は懇切丁寧な自己紹介をした。
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