12. ゴーストの叫び

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「自分が何をしたのかわかっているのか」  フィンセントは答えない。  もういつ自分の血管が切れてもおかしくなかった。ディザイアはさらに襟を締め上げる。 「アダムとイヴをな!」 「。彼らは一から回路を組み直す。役に立たなかったロボットに、何の意味もないだろう?」 「俺と君とで組んだ電子回路を勝手に……! 向こうで何があったかなんて聞かないぞ。こいつらが何をしたというんだ? こんな廃棄も同然の屈辱を味わうようなことをするはずがない!」 「僕が間違っていた」 「なに?」  フィンセントの声はゼロ距離にいるディザイアですら聞き取れないほど、虫のごとき声だった。  自分がものすごい勢いで、フィンの意識を落とさんとするほど襟に力を込めていることにやっと気づいた。ディザイアは自分の衝動に対する一種の恐怖から、手を離した。フィンセントがどさりと床に落ちて、それでも、咳や乱れた呼吸の一つもせずに、ゆらりと立ち上がる。
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