天の声

1/1
前へ
/2ページ
次へ

天の声

 ご主人「天の声さん?で、よかったのかな?・・ あなた、アフリカのジャングルで母ライオンが子育てをしたりするドキュメンタリーなんか、ご覧になったこと、有ります?」 天の声:ありますけど・・それがなにか?  ご主人「その時のナレーターが何匹かの子供ライオンのことを、君たちは・・なんてナレーションされているのを聞いたこと有りませんか?」 天の声:ありますけど・・お母さんライオンのことを彼女と表現されたのも覚えていますけど・・  ご主人「そう、だから親近感が生まれると、「ペット」のことを「ポチ君」だなんて呼んだりすることが有るだろ! それだよ! それと同じで人間と決めつけないで欲しい」 天の声:それなら、最初からペットの名前で表現すればよかったのじゃありません?・・  ご主人「君がもし物だとしたら、天の声くん・・これまでの会話をヒントにして、その物はいったい何者だと想像できるかね?」 天の声:それは、面白い提案ですね、ご主人さんて、もっと頑固者だと思っていました。  ご主人「四の五の言わずに、目を閉じて、君の妄想の世界に突入してご覧?」 天の声:「君が一番美しかったんだよ」て言ってたから・・いや、あの表現は、顔だけの美しさじゃない・・「モデルかと思った・・」って言ってたから、そう、スタイルのことのように言っていましたよね!   美しいという言葉の表現で、多くの人は美人の女性をイメージしてしまう、 だが、ここは引っ掛けだ!」  ご主人「そう、なかなか良い感じだよ・・我慢や辛抱もヒントになるかもな⁉」 天の声:我慢?・・ 辛抱?・・ と言うことは“打たれ強い”ボクサーか?なんか? でも、モデルってボクサーとは重ならないよね?  ご主人「私の知人でボクサーは居ないしね、それと私はそんな強い人間じゃないし!」 天の声:人間じゃないんだよな! 物だとしたら・・って条件だもんな、  ご主人「とても有効なヒントをあげよう・・私は家電製品が大好きなんだ!買うものが無くても、製品のデザインなんかが気になるもんでね、どうしてもいくつかの製品と見比べてしまったりする」 天の声:家電製品か⁉ なるほど、だから「君」て言葉でカモフラージュしたって訳か、 そうなると「悪くない性格」と言うのは、その製品の「性能」のことかも知れないぞ⁉  ご主人「凄い!良いとこまで来たよ・・こいつは引きずり回しても、文句ひとつ言わず、我慢してくれるんだ」   天の声:分かった! 掃除機だ!そうですよね?・・掃除機?ですよね⁉・・  なるほど・・掃除機なら、ボクサーのようにタフでなきゃ・・それに強い吸引力なんかもそうだし・・ でもモデルのようにスタイルが良いって? よく分かんないな?  ご主人「私はホースで引っ張るクリーナーと、細長いスティック状のものと2台使っているんだがね・・どちらもスタイル抜群! ボディーの湾曲したところなんか、へんなセダンよりもずっとカッコいいんだ!」 天の声:馬鹿バカしい! 詰まらない冗談を並べただけで・・それで私なら喜ぶとでも思ったんですか?  ご主人「君に喜んで貰おうと思って始めたんじゃないよ、これは、うちの掃除機が“自分を選んだ理由が知りたい!なんて、言い出したことから始まったんだろ」 天の声:そんなこと言い出す掃除機なんか居ません!  ご主人「この間なんか・・うちの玉があまりにも怖がったもので、つい、ふざけて吸い込みノズルを近づけたら、それっきりだ・・もう3日になるけど、まだ掃除機から出てこないんだ⁉」 天の声:それは、最初から吸い込まれたんじゃ無いんです!  ご主人さんが、そんな話すれば周りが喜んでくれるかな・・?って それって、ご主人さんの妄想でしかありません!
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加