3#パドックに出逢えない日々・・・

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 新型ウイルスがこの国を襲った。  国中の人々を新型ウイルスで感染させ、多くの犠牲者が出た。  競馬も、感染被害防止対策で無観客開催となった。  「競馬をやらないよりましだ。でも・・・」  僕はネット馬券の手続きをした。  口座を作るだけで大変だったが・・・  これで、競馬場に行けなくても馬券は買える。  ネット馬券の手続きをしたのは、もうひとつの理由があった。  「おい、今度のレースはどの馬にする?」  「うーん、血統的に・・・」  「実績ならこれだな。」  競馬場仲間は、パソコン上のオンラインリモート画面での談義となった。  無論、競馬場仲間は皆ネット馬券の手続きを取っているので、競馬予想はオンライン上でもかなり白熱した。  自分の応援しているスペースシップ。  「やっぱり君の本命はこれか。」  「そりゃ、新馬戦の時に大穴獲ったからねぇ。」  「でも、こいつのオッズまた最低人気だよ。本気かよ?!」  ディスプレーの中の無数のワイプ画面の中に写る自宅の競馬仲間に、やはり言われた。  それでも、僕は答えた。  「僕は決めたよ!!絶対ダービーはスペースシップが勝つとみたよ!!  これは揺るぎないっ!!」  「おいおい!大声で話すなよ。」  「飛沫飛んでこっちが感染するだろうが?!」  「オンラインで感染するかっつーの!!」  
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