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「お…俺達のクラスが、勝ったよ」
「…っよし!」
真鎖の言葉に、思わずガッツポーズが出た。
土屋はそんな俺のことを微笑ましそうに眺め、「良かったね、かけるん」などと声をかけてくる。
いや、そう言ってくれるのは嫌ではないが、俺らのクラスに負けたのは土屋のクラスだぞ。良いのか?
土屋に対してそう言いかけて、やめた。土屋は試合をサボろうと提案してきたような奴だから、恐らくクラスが負けたことは全く気にしていないのだろう。
「次の試合は、僕達のクラスと当たることになっているんですよね」
「うん」
眼良の言葉に真鎖が頷いた。
うちのクラスと眼良達の対戦か…それは見たい気がするな。
「その試合、いつからなんだ?」
「20分後です。」
「そうか。絶対見るよ。」
「本当ですか?!やった!嫁兼先輩が見てくださるのなら、僕、頑張りますね!」
眼良は嬉しそうに笑って言った。
その様子を見ていた真鎖は呟く。
「尊いな 尊すぎるな いとエモし……」
俳句調だが、語彙力が家出してるぞ…。
けど、まあ、その気持ちが今回ばかりは分かる気がした。
こんなことを思うと眼良が嫌がりそうではあるが、俺が観戦することに喜んで張り切る眼良は、本当に可愛らしい後輩だと思う。
今もだが、中学校でも部活動に入らなかったため、眼良を見ていると時々思う。
年下って、後輩って、こんなに良いものだったのか、と。
と、その時、ガラリという音がして、部屋のドアが開いた。
「今日のお店、どうしますか?」
「俺は、どこでも大丈夫だ。米田先生のお勧めのお店は、どこも美味しい。」
「私も、米田先生の好きな所で良いですよ。紫…いえ、源先生の言う通り、米田先生に任せておけば、安心出来ますから。」
「僕も2人と一緒で、何処でも大丈夫だよ。…けど、あまり遅くなると妻が心配するから、遠い所は嫌かなぁ……」
そんな会話をしながら入って来たのは、米田先生、源先生、草枕先生、そして、大久保先生だった。
そして、先生達は俺たちの存在に気付くと、少し驚いたような顔をする。
「君達、怪我か体調不良かな?不在にしちゃってごめんね。今診るよ。」
そう言ったのは、大久保先生だった。
「ケーンケンっ、怪我しているのはかけるんだけだよ〜!オレもめらちーも、まぐまぐも超元気!」
「蕾智君…分かったよ、ありがとう。…それじゃあ、翔琉君、だよね?足、見せてもらっても良いかな?」
そう言って、大久保先生は優しく微笑んだ。
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