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「土屋、人のことを揶揄うのも大概にしろ!」
「いやぁ、オモシロくてツイ!かけるんは嫌そうな顔が可愛いし、めらちーはムッとしててオモシロいし、まぐまぐは興奮しててウケるし!み〜んな、からいたくなる反応するんだもーん」
もーん、じゃねえよ!そんな理由で変な冗談を言うんじゃない!
「……からかっただけ、ただの冗談で、本気ではないのですよね…?」
眼良がどこか冷たい声で言った。
どうしたのかと思い、眼良の顔を見ると、何故か戸惑ったような顔をしている。
本当に、一体どうしたんだ、眼良…。
「あっははー、めらちーってば、嫉妬しいだなぁ!」
土屋はそう言いながら、茶化すように眼良の頬をつついた。それに、眼良はあからさまに嫌そうな顔をする。
眼良のこんな顔、なかなか見ないな…珍しい…。
「頬っぺたをつつかないでください。」
「あはは、ごめんごめん!」
軽く謝る土屋に、眼良は少し不満気な目を向けた。
……そう言えば、眼良が嫉妬しいって、どういう意味だろうか。眼良が嫉妬するようなことは何もないはずなのに。
「眼良、嫉妬しているのか?」
「えっ」
「何か嫉妬するようなことでもあったのか?」
「そ、それは…」
眼良は何か言いにくそうに目を逸らした。
と、その時だった。
「供給過多!!!」
「………は?」
突然、後方から興奮したような大声が聞こえた。
後ろで叫んだのは、もちろん真鎖である。
真鎖は、喜びに頬を染めながら、ベラベラと喋り始める。
「さっきからヤバイよ?土屋くん嫁兼くんにガンガン絡むし 手とか握っちゃうし 面白がっていただけだとしても土屋くんが嫁兼くんのこと好きだって言ったのメチャクチャ素晴らしいと思うし 眼良くんはそれにムスッとするし かと思えば土屋くんは眼良くんのことまで揶揄い始めるし 眼良くんは見たことないくらい塩対応だし 何?チャラ男×可愛い系のフラグでもオッ立てようとしてるの?そういうのもアリアリのアリだよね!でもごめん俺やっぱり平凡総受けを推していきたい!!!!」
「…………は?」
只今の真鎖の怒号の萌え語り、所要時間はなんと8秒。
8秒という短い間に、真鎖は超絶早口でこれだけのことを語り切った。アナウンサー、声優もビックリである。
そして、語っている内容は………まあ、流石腐男子とでも言っておこうか……。
「ぶはっ、ちょっ、まぐまぐっ…ふははっ、流石かけるんの親友っ、超変人!オモシロ〜!」
土屋が、腹を抱えて笑い出した。
ちなみに、眼良は呆気にとられたような顔をしている。
……って、おい土屋!「流石かけるんの親友、超変人」とはどういうことだ!何か失礼だな、その言い回し!
俺は勿論、何か真鎖にも失礼だろ!
「え、ええ…?」
真鎖は、土屋を見ながら少し困惑したような声を出した。
そうだ、いくら普段怒ったりしない真鎖だろうと、これは不満に思うだろう、言ってやれ!
「よ、嫁兼くんと俺って、親友…なのかな…?」
「そうだ!真鎖の言う通りだぞ!全く、土屋は失礼な奴d…………はぁ?!」
目を泳がせながら首を傾げる真鎖を、信じられないような思いで見つめる。
え、真鎖が引っかかったのは、不満に思ったところは、そこなのか!?
俺と親友だと思われることが、真鎖は嫌なのか……?
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