あること

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僕とお姉ちゃんは昔から、友達にも両親にも秘密の『あること』をしていた けれど成人してからは、それぞれ1人で暮らすようになり、それは出来なくなってしまっていた そんなある日、お姉ちゃんから久しぶりに帰省するのだと連絡が入り、お互いの休みを合わせ帰省した 『あること』について特に会話はしなかったけれど、僕もお姉ちゃんもそれをしたい事はお互いに理解していた そうしてその時がやってくる 僕達は家から離れた近くの公園に来た 木漏れ日が射し、爽やかな風がお姉ちゃんのスカートを揺らす 僕とお姉ちゃんは向かい合い、お互いの瞳を見つめながら口を開いた 「何年ぶりだろうね」 「ねー、ずっとしてなかったもんね」 「あっち行ってからお姉ちゃんは元気だった?」 「んー、まぁ元気は元気だけど、やっぱりこれがないとなんか物足りないんだよねぇー」 「そっか……実は僕も同じなんだ……」 「へぇー、あんたもそう思ってたんだ、それは意外だなー真面目っぽいのにね」 「そりゃ僕にだって羽目を外したくなる時くらいあるもん」 「そうだよね、こんな事出来る相手、他にいないからね」 「そうだよ、大問題になっちゃうもん」 「うふふ……じゃあ、そろそろ始めよっか……?」 「うん!」 手が汗ばみ、緊張感が辺りに漂う 本当に久しぶりだ── 2人の視線が交錯し、一瞬の間が空いた後、お互いが走り出した 手に鋭いナイフを握り締めながら── そうして僕とお姉ちゃんの何年かぶりの 『命の取り合い』が始まった──
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