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クエスト2.ワタシは子供ではございませぬ!
マルガリータに無事『セレスタ』を届けることができた私は、
勧められたお茶を飲んだ。警戒などせずに、だ。
飲んでしまった私は思った。これ、もしかして何か配合されているのか…?
すると、その予想は大当たり。
私の体がみるみる内に小さくなり、体のサイズが子供のようになってしまった。
「おい、これはどういうことだ?」
「あっ成功ね!新しい薬を調合してみたんだけど、いい感じね。
早速メモしておかなきゃいけないわ…」
「待て、それよりも戻す薬を先にくれ」
「え?何を言っているの?そんなものないわよ、作ってないもの」
完全にやられた。
どうすればいいのだ、せっかくの体が…くそっ!
「これを解くためにはどうしたら良いのだ?」
「うーん、そうねぇ…西の国に売っている薬を飲めば大丈夫だと思うけど…」
「早く場所と薬の名前を教えろ!」
「もう、そんなに焦らないでよ。確か国の名前は『ミルドール』よ。
薬の名前は…えーっとなんだったかしら?
あっ、そうそう。『コデイン』よ!」
「なるほど、それを飲めばいいのだな?今度は確かだろうな?」
「これ以上はもう本当に何もしないわよぉ、そんなに怒らないでよ」
私はムッとした顔でマルガリータを見つめる。
「でもあなた、そのままの体で行くつもり?」
そうだ、私の姿は今幼い子供なのだった。
いつもの私であればすぐに西の国まで行けるだろうが、今はそういうわけにはいかない。
恥を忍びながらも私はマルガリータにひとつお願いをした。
「その…なんだ…この身体では私一人ではミルドールまで行けそうにない。
くそっ、だからその…一緒についてきてはもらえないだろうか…」
なぜ全ての元凶である奴に頭を下げてこんなことをお願いしなければいけないのか。
するとマルガリータは少し嬉しそうな顔をしながらこう答えた。
「もちろん!私も一緒に行くわよ!
ていうか最初からそのつもりだったし…
まぁこの天才魔術師のマルガリータ様に任せなさい!」
いつもは誰もお供をつけないが、今回は仕方がない。
この姿だと魔物にも狙われやすいし、勝ち目もない。
「じゃあ早速いきましょう~!レッツゴー!」
マルガリータはノリノリだけど。
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