スマホとワタシとゲンジツと

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4月。14歳の僕に母がスマホをくれた。 本当はiPhoneがよかったけど、ありがたくいただいた。 周りはみんなスマホを持っていて、正直ずっと羨ましかったのだ。 「おっ、ワタリ!やっとスマホ買ってもらえたのか! よかったじゃん、LINE交換しようぜ!」 こいつは友達のトキオ。保育園からの幼馴染だ。 うちの中学は小学校からの持ち上がり制で、メンツは変わらない。 いたって普通の中学校だし、特に変わった特色があるわけでもない。 本当は私立を受験する予定だったけど、友達と離れたくなくてやめた。 『それではただいまより、東小学校の始業式をはじめます。 生徒の皆さんは着席してください』 アナウンスが流れた。 『ではまず、校長先生から皆さまへご挨拶があります』 「んんっ!え~、本日は大変お日柄もよく…」 校長の長い話がはじまる。半分ぐらい聞いたところで眠たくなってきた。耐えろ僕。 ていうかこの後どうせいつもみたいにほかの先生も話するし、 新任の先生の挨拶とかもあるんだよな? もうほんと勘弁してほしいよね。 そういう話は聞いて為になった覚えがないよ…。
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