キスの日の話(改稿版)

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そんな所で言わないでよ、と言おうとしたその時、沙保の指先が包皮をめくるようにしてそっと蕾を震わせた。  びくん、と腰が跳ね上がる。  追い打ちをかけるように、ざらついた舌の感触が襞を分け入ってくる。ぎゅうっと沙保の頭を両腿で挟み込むと、舌先が私の中で生き物のようにのたうち回る。  恥ずかしげもなく沙保の顔に腰を打ち付ける、私は私でないみたいだ。 でも、そうだ、ぜんぶぜんぶ沙保のせい。 そういうことにして、私は快楽に身を投げた。  荒い呼吸を整えたくてごろんと沙保に背を向けると、きゅっと腰を引き寄せられる。背中にぴたりとくっついた優しい体温に守られているみたいだ。  沙保は甘えるように私の首筋に顔を埋め、ウエストから太腿の稜線をゆっくりと撫でさすった。 心地いい手のひらに身を任せていると、しだいに指先が怪しい動きをし始めた。  いいよね?と問いかけるようにうなじに口付けられ、私は小さく頷いて沙保の右手を脚の間に導いた。だらりと弛緩した両腿を親指がこじ開け、まだ小さく痙攣を繰り返している割れ目をじっくりなぞり上げる。  そうして沙保は、内腿を伝う愛液を中指と人差し指に絡めると、一気に蜜口に突き立てた。絶頂の余韻の残る泉は十分に潤っていて、簡単にそれを受け入れた。 「はっ…ぁん」  悩ましい吐息が無意識にこぼれて、顔が熱くなる。火照った頬に沙保の唇が触れ、耳もとで、今のは「えっちな声ってキス」だと囁かれる。  ばか、と開きかけた私の唇を塞ぐと、沙保はゆるゆると内壁をこすっていた二本の指をバラバラに暴れさせた。
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