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ー兎羽さいどぅーー
「はぁ。」
昨日、雛月様のお相手をした。
……………良かった。 凄く、良かった。
「はぁ。」
でも、僕の心はジクジク痛む。
…今日は彼方君が、明日は仁君が、明後日は薫君が………お相手をする日だ。
雛月様…雛月様、雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様雛月様…
あぁ。僕だけを見て。
僕だけを愛して。僕だけを喰べて。
貴方の為なら僕は何だってできる。
………何なら、貴方と共に心中だってできる。
「はぁ。」
なのに、今日は彼方君を貴方は抱く。
分かってる。分かっているの。
雛月様は皆のものだって。でも、でも少しだけでも希望を持ちたい。
貴方はあの日を覚えていますか?
あれは、僕が初等部の三年生だった頃、ある雨の日に僕に傘を貸してくださいましたね。
……ピンクの可愛らしい傘を。
貴方はご自身がビチョビチョになるのも構わず、
僕に貸してくれましたね。
…初めて僕に、“好き”になる感情を与えてくれた。
「はぁ。」
僕の心が尚もジクジクジクジク、血を流す。
この痛みをどうにか治めようと、いつもの場所に僕は向かった。
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