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承諾してしまったなら、僕も最後までやり遂げないと気が済まないから、ザザッと親衛隊について説明してあげた。
センセーは僕の話を聞いて、驚くことも無く、卑下することも無く、同情することも無かった。
…本当におかしなセンセーだ。
僕は初等部からこの学園に通っているけど、こんな
変なセンセーに会ったのは初めてだ。
何だか、このセンセーなら僕の気持ちを聞いてくれる気がする…。と思い、僕が…僕等が親衛隊をやっている理由を教えた。
案の定、センセーは肯定も否定もしなかった。
そして、僕の心配を始めた。
………謎すぎる。
僕の…僕等の思いを聞いて、共感せずに唯聞いているだけで良かった筈なのに、何故かモヤモヤした。
………本当は、本当は同情して欲しかったのかもしれない。
そう自覚したら、ジクジク痛み、血だらけだった心がスッキリと綺麗に洗われた気がした。
同情をしてもらうが為に親衛隊をやっている訳じゃない。
雛月様の学校生活をサポートして、少しでも僕を見て貰う為に親衛隊をやっているんだ。
これは、他の隊員の事達も同じ筈……。
だから僕の自己中心的な嫉妬で、彼らの思いを蔑ろにしてはいけないんだ。
こんな、僕の心境の変化ぎあったなんて事をセンセーは露知らず、さっさと戻ろうとした。
このまま返したら、漢が廃れる。
僕は何とか引き留めようと思い、又、センセーの、手を掴んだ。
しかし、掴んだは良いもののどうやって引き留めれば良いのかを考えていなかった。
四苦八苦して、ようやく思いついたのはお茶だった。
僕は料理が得意。だから、親衛隊室に来た隊員の子達には毎回、お菓子とお茶を振舞っている。
だから、これを理由にした。
でも、自分から相手わわ誘うなんて事した事なかったから、しどろもどろになってしまった。
けれど、センセーは難なくOKを出してくれた。
柄にも無く、嬉しくなってしまい、後ろを向いて、センセーから見えないようにガッツポーズを決めてしまった。
イェイ
…………は!
急いで後ろを振り向いたが、そこにセンセーの姿は無かった。
ー兎羽さいどぅー えんどー
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