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愛萌は、開封して説明書を読んだ。
「!?」
愛萌の目は、ある文章で止まった。
操作方法の他に、注意書きが書いてあった。
【注意】
本機は、あくまで過去や未来の観賞用に開発されたものです。
移動先(特に過去の時代)での、各時代の人達との接触等は絶対におやめ下さい。
歴史等に変化が生じてしまい、大きく歴史が変わってしまう危険性があります。
状況・内容によっては、国際的問題に発展して、罰せられる場合がございます。
「た、確かに…。」
愛萌は、呟くように言った。
「ま、まぁ、歴史の勉強に使うだけだから、問題ないか…。」
愛萌は、自分に言い聞かせるように言った。
「……。」
愛萌は、黙って頷いた。
「まず上杉謙信から、調べて見るかな…。」
愛萌は、タイムマシーンに乗り込んだ。
行きたい時代を西暦で入力するタイプらしい。
「今の私と同じ19歳の時の上杉謙信を見てみたい。
上杉謙信は、1530年に生まれたとされているから、1549年に行けばいいのね。」
愛萌は、タイムマシーンの操作版に「1549」と入力した。
「あ、謙信の時代は歳の数え方が違うんだっけ?
だから、1548年ね。」
と言って、入力しなおした。
「月日は、今日と同じでいいかな?」
と言って、「10」と「30」と入力した。
次に場所を入力する画面になった。
「この頃は、栃尾城(とちおじょう)に居たと言われているから、現在の新潟県長岡市にある鶴城山(かくじょうさん)ね。」
と、鶴城山の住所をスマホで検索して入力した。
━━鶴城山。ここには栃尾城址がある。
あとはスタートボタンを押すだけだ。
「……。」
愛萌の指は震えていた。
スタートボタンを押したら、過去に行ける。
楽しみと同じくらいの不安にかられていた。
「い、行くわよ…。」
愛萌は、意を決した。
愛萌は、スタートボタンを押した!
愛萌の部屋から、タイムマシーンが消えた!
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