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水溜まりを越えようと飛ぶけれど、踵で水しぶきをあげる。
そんな事にも気付かず傘と一緒にスカートを翻し振り向く君が手を振るから、僕も水溜まりをぴょんと飛び越えた。
2人して靴を濡らし、笑い合う。
白い靴は汚れているのに、君と僕は気にしない。
─こんな時間が続けば良いのに。
でも、僕らは違う道を辿る大人になってしまう。
僕が普通じゃないから。
君と同じじゃないから。
違和感だらけのスカートは、雨に濡れて重くなった。
「濡れちゃったね。」
「濡れちゃったね。」
まるで木霊のように繰り返す。
同じで、違うもの─。
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