台風

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河川が氾濫した。 なんと言う事だろう。 心臓がどきどきした。 川の水が溢れてるのは、 家の近くだ。 なんで…… すぐに避難指示がでた。 今からでは車に乗るのは危険だ。 妹の携帯に電話した。 「お兄ちゃん、助けて。川が… 水が…お兄ちゃん。」 「いいか。2階でじっとしてろ。 大丈夫だ。父さんに代わってくれ!」 「お父さんはまだ帰ってない。 どうしょう。」 「母さんに変われ!」 母さんがでた。 「誠、心配しないで。 2階でじっとしてるから… 水の流れは緩やかだから、家が流される事はないよ。」 「母さん、父さんはどうした?」 「今日は、残業で遅くなるって言ってたから…… 会社にいれば大丈夫だよ。」 良かった。 家は水が上がっても命の心配はなさそうだ。 「母さん、俺は暫く帰れないと思う。 何かあったら電話して。 あと、由美が怖がってるから心配しないように慰めて。 そうだ。電気は使わない方がいいよ。 コンセント抜いてて。2階だけでいいから。」 「分かった。誠も体に気をつけてね。」 とりあえず、家族は大丈夫そうだ。 家は、川から1キロ近く離れてる。 土盛りして少し高い所に建ってる。 流される心配はなさそうだ。 川の近くに住んでる人を思い浮かべた。 駄菓子屋のおばあさんが一人暮らしだ。 心配になったが動きがとれない。 気が揉める。 おばあさん、大丈夫かな?
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