出張を取り合い、幸せをもらいました

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 私は20歳の時、専門学校を卒業してこの会社に入社した。その1年後、大卒で智彦が入社してきた。一つ年上の後輩。変な感じ。  一緒に仕事をするうちに、私たちは惹かれ合った。智彦が入社して1年後、彼に告白されて、私たちは付き合い始め、現在に至る。  いつもなら、智彦は、こんなにこだわる人じゃない。 何で? 分からないまま、私たちはじゃんけんをする。 「最初はグー!……」 勝ったのは、智彦。 私は、ガックリとうなだれる。 すると、智彦は耳元で囁いた。 「金曜の夜の飛行機だから、準備しておけよ」 私は驚いて顔を上げる。 「土日に九州を観光して、月曜の朝一で名古屋に飛べばいいだろ?」 「うん!」 「くくっ じゃあ、飛行機とホテルは手配しておくから」 そう囁いた智彦は、私の頭をくしゃりと撫でて、仕事に戻る。  帰宅後、智彦は言った。 「由香里を九州に行かせたら、絶対一人で観光に行くだろ? そんな、いつナンパされるか分からない所へ1人で行かせるくらいなら、一緒に観光しようと思ったんだ」 智彦は柔らかく微笑む。 「だから、名古屋では観光せず、まっすぐ帰って来いよ」 「うん」 目を見つめられてそんな風に言われたら、頷くしかできない。  仕事では私が先輩だけど、今やプライベートは明らかに智彦が主導権を握ってる。 でも、それも幸せだから、いいことにしよう! さぁ、九州旅行の計画と準備をしなきゃ‼︎ ─── Fin. ─── レビュー・感想 ページコメント 楽しみにしてます。 お気軽に一言呟いてくださいね。 ※『遠距離の彼 と 近距離の同期』  小川 天(おがわ そら)主任 特別出演です
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