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神々の理由のお話の補足
本編もついに、170話ぐらいに到達しました。万葉集からの引用でスタートするお話について、解説を加えます。
前書きに出てきた詩歌は、言わすとしれた有名な歌集「万葉集」からの引用です。原文の通り、漢字(物語の中では古語と呼ばれておりますが)での記載となりました。物語の中に記載したかったのですが、著作権が切れているのは分かっているものの、本作は和風ファンタジーの創作物であり、正しい作者や出典を同時に本文へ記載することができないので、このような形となっております。
参考に、現代語訳などをご紹介。
コトリが詠んだクレナの詩歌とするものは、こちら。
●額田王(ぬかたのおおきみ)の歌
あかねさす 紫野(むらさきの)ゆき 漂野(しめの)ゆき 野守(のもり)は見ずや 君が袖(そで)振る
(現代語訳)
御料地の番人が見ないかしら。
あなたが私に袖を振って、恋心を露わにしているのを。
カケルが詠んだとソラの詩歌とするものは、こちら。
●大海人皇子(おおあまのおうじ)の返し歌
紫草(むらさき)の にほえる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋ひめやも
(現代語訳)
紫草のように美しいあなた。
あなたが人妻であっても、私はまだあなたに恋をしているのです。
額田王は以前大海人皇子と子をなす程の仲だったのですが、別の方と恋仲になります。そして、現恋人である天智天皇の前にも関わらず、余興で詠んだ詩らしいです。元恋人のお兄さんと付き合う額田王。さらには、こんな詩を冗談的な感じで詠むなんて、なかなかに凄い人です。
この辺りの事情と訳は、こちらのサイトから引用させていただきました。ご興味がある方は、ぜひ覗いてみてください。
https://manapedia.jp/m/text/2071
最後に、天磐盾の元ネタはこちらです。日本書紀にも出てくる場所ですね。
https://www.wakayama-kanko.or.jp/marutabi/kikinotabi/map/s-kamikura.html
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