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頭の良い女が好み
こいつの為に、ネットで注文した勉強机。その上には、目も当てられない点数の小テストの数々。
68点66点59点55点63点…。
「100点取れとは言わねぇが、せめて70点取りやがれ。」
「平均よりは上だからいいじゃん!!」
「あぁ?お前の中学、馬鹿しかいねぇのか?」
「そうだよ!!学校の奴は馬鹿にしていいけど、私は馬鹿にしないで!!」
普通、「私の事はいいけど、皆を馬鹿にしないで」って言うところではないのか。
まぁ紗知には、庇う人間が学校にいないのだろう。
「いいか、勉強ってのは後に役立つんだ。少しは机に向かうように癖をつけろ。」
「ガラ悪ヤンキーの言う言葉じゃない。」
「ガラ悪ヤンキーも、お勉強する時代なんだよ。今は楽しくても、先の事考えて動かねぇと後悔すんぞ。」
「真面目だね。見た目ロリコンゴリラの割に…。」
「事実だろうが。…次ロリコンゴリラって言ったら、今日の晩メシにほうれん草入れるからな。」
「はぁ!?横暴!!!」
「煩ぇ。さっさと今日のテストで間違えたところ、見せろ。」
「見せろって…アキ教えられるの?勉強出来るの?」
「ああ?少しは出来る方だ。」
答えると、紗知は小さな手を広げて差し出した。何の真似だろうと、顔をしかめると、テストを見せろと言う。
「文句言うやつが、私より馬鹿なら嫌だから。」
「お前なぁ…ちょっと待てよ。」
昨日返却されたテスト用紙を、全て見せてやる。直ぐ様、低い唸り声を出した。
「オール満点って、カンニングだろ。」
睨みつけながら、失礼な事を言われた。
「してねぇよ。まぁ、疑われて別室でテストされた事は、あったけどな。結局同じだ。」
「うっわぁ…何で不良なんかやってるの。」
「若気の至りだ。」
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