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◇◇◇
翌朝。
カフェからオフィスへ移動した晴久は、顔を灰色にしながらデスクについた。
もう一度、今朝カフェにいるときに雪乃から届いたメッセージを開いてみる。
『おはようございます。今日も定時で自宅に帰ります。それと、しばらくお会いできません。そちらに荷物を置いたままで申し訳ないですが、週末に取りに行きますのでそのままにしておいて下さい』
カフェでこれを読んだとき、既読をつけたまま返信することができなかった。
頭が真っ白になるくらいの衝撃だった。
オフィスに来ても、晴久はPCを開いたはいいものの、日課のメールチェックや伝達の確認すら忘れ、デスクに肘をついて考え込んでいる。
避けられている? という予感が的中した。
これは明らかに家に来ることを拒否されている。
晴久はそう考え、頭がさらに下へ下へと沈んでいった。
まずはどうして会えないのか尋ねようとメッセージを作ろうとするのだが、文字でのやり取りでは慎重になる。
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