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「世界一幸せにするつもりだよ」
◇◇◇
朝、先に目を覚ました雪乃は、同じベッドで眠る晴久を見て顔を熱くした。
まだ身体に残る、昨晩の愛されっぷりが甦り、思わず桃色のため息が漏れる。
整った晴久の寝顔を近づいて見つめてみる。
長い睫、滑らかな鼻筋、形の良い唇。順々に見ていった後で、この唇に昨夜はこれでもかと貪られたのだと思い出すと、また体の奥が疼いてきた。
すると、ベッドに放っていたはずの彼の大きな手が動いて雪乃の後頭部を捕らえ、グッと唇に押し付けた。
「んっ……!?」
突然のキスに襲われた雪乃は反射で抵抗するが、それをさせまいとする力強い晴久の手。
やがて彼女も従順になっていき、彼の唇に素直に口を開いた。
朝から濃厚なキスを交わし、ふたりの唇はやっと離れていく。
「おはよう、雪乃」
「……おはようございます」
火照った顔できちんと朝の挨拶をした雪乃だが、その表情は昨晩と何も変わらなかった。
「色々考えてみたんだけどさ」
晴久はさっぱりとした顔でそう切り出した。
「は、はい」
「雪乃、ここを出て俺の家に引っ越しておいで」
「……え!」
彼女はキラキラの瞳を潤ませながら、すぐに「いいんですか?」と高く掠れた声で聞き返した。
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