「世界一幸せにするつもりだよ」

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一方、ガラス戸に貼り付いている男たちは微笑みかけられたのは自分だと盛り上がっている。 小山だけが呆然と雪乃の姿を見つめており、しばらくして晴久を振り返った。 小山の視線に気付いた晴久は、踵を返し、営業部のフロアへと足を戻し始める。 「高杉課長。どういうことですか」 「何がだ」 「細川さん! 高杉課長の彼女じゃないですか! デートの写真に写ってた!」 「そうだ。悪いか」 「クーッ!」と羨ましがるような悔しがるような声を上げた後、小山は子犬のように晴久の後に付いてくる。 「隣にいたのが小山の彼女か?」 「そうです!」 「そうか。大事にしろ」 「します! してます!」 皆子の口止めを守った試しのない小山に「どうだかな」と返そうと思ったが、そのおかげで雪乃と上手くいった恩がある。 小山が憎めない晴久は、飲み込んでフッと笑みを落とすと、営業部の仕事に戻った。
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