「世界一幸せにするつもりだよ」

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午前の仕事にはいつも以上に気合いが入り、プレゼンや営業指導は納得のいくパフォーマンスを発揮した。 晴久の心の片隅には、ずっと、先ほど素顔で笑っていた雪乃がいて、まるで彼女の存在が勝利の女神のように心強かった。 雪乃が素顔を明かしたことで、流出した写真を目にした者にはもれなく恋人同士だと知られることになる。 しかしもう彼女が隣にいてくれるから、顔を隠すことも、朝からカフェに寄ることもしなくて良い。 何にも怯えず、素性を明かして良いのだと思うと、今までの憑き物が落ちたかのように晴久の心は軽くなった。 自分たちの生活を取り戻せる。 雪乃とふたりでこれから本当の恋愛ができるのだ。 晴久の歩みは力強く、軽やかに、昼食のためフリースペースへと向かった。 いつもは人のいないフリースペースに、今日は先客がいた。 気にせず入ろうとしたが、漏れてくる声から、中にいるのが雪乃と岩瀬だと分かった晴久は、咄嗟に足を止めた。
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