「世界一幸せにするつもりだよ」

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岩瀬に呼び出された雪乃は、フリースペースのど真ん中で彼女と対峙している。 「私、高杉課長に告白しました。すぐ連絡が来て、フラれましたけど。細川先輩酷いです。知ってて何も言ってくれなかったんですね」 綺麗な顔をぐすぐすと崩して泣いている岩瀬を前に、雪乃は困惑していた。 後輩、しかも新入社員に恋愛沙汰でこうも責め立てられると、どう対処していいのか分からなかった。 「ごめんなさい。岩瀬さんが告白したときは、恋人ではなかったんです」 正直に状況を伝えてはみたものの、雪乃は素顔を隠すとともに、その後も関係を隠していたのは事実。 岩瀬をフォローせず放置していたことに違いはなかった。 そのことを自覚している雪乃は、彼女の文句は甘んじて受けようと覚悟していた。 「……どうして付き合うことになったんですか。私は駄目だったのに、高杉課長はその後すぐ先輩と付き合ったんですよね。どうして私は選ばれなくて、細川さんが選ばれたんでしょうか」 難しい質問をされ、雪乃は息を飲む。 そもそも雪乃も、答えを知らなかった。
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