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「晴久さん……」
「まだ夜景見てないのに、ごめんね。我慢できない」
断りを入れ、背中に手を差し入れて雪乃のワインレッドのワンピースを脱がせていくと、そのコントラストでいつもより白く見える彼女の肌が露になる。
両手を固定し、首筋に顔を埋めた。
「晴久さん、私、こんなに幸せでいいんでしょうか……」
喘ぎ声とともに、うわ言のように呟いた雪乃を、晴久はもっと喘がせようと手を加えていく。
「世界一幸せにするつもりだよ」
晴久にも少しずつ余裕がなくなっていた。
素直に反応する彼女を愛でて、十年分の愛を知らずに過ぎた期間を埋めるように、自分の愛を惜しみ無く捧げていく。
自分にも、五年の空白期間がなければ雪乃には出会えなかっただろう。
今までの全ては彼女のためにあったのではないか。
晴久はそんなことを考えながら、運命の彼女と朝まで愛し合うのだった。
END
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