「俺の家に来ませんか」

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晴久はまた雪乃のことが放っておけなくなり、今夜中に電気を復活させるという絶望的な目論見をする彼女に代わって、対策を考え始めた。 彼女をなんとか守ってあげたい。 そう思い、抱き寄せている手でしっかりと雪乃の体を支えた。 「細川さん。これは、嫌だったら拒否してもらってもかまわないのですが……今晩は、とりあえず俺の家に来ませんか」 「……えっ……」 「すみません。俺にはそれしか思い付かなくて」 冗談で言っている声色ではない。 雪乃が顔を上げて見ても、彼は真剣そのものだった。 「……でも……」 「男が苦手ではとても俺の家になんて来たくないでしょうけども。でも心配なんです。とてもこのまま……置いては帰れない。何もしないと誓います。信用してもらって大丈夫ですから。……難しいですか」 雪乃の頭の中では「そんな迷惑をかけるわけには」ということだけが必死に駆け巡るが、雪乃こそ、このまま晴久に置いていかれることに耐えられそうになかった。
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