「俺の家に来ませんか」

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「それはありがたいですが……高杉さんはどこで眠るんですか?」 「俺はソファで」 「そんなの駄目です! 私がソファで寝ます!」 想定内の言い合いになったが、晴久としては、女性をソファで寝かせるわけにはいかなかった。 しかし雪乃にしても、ここに置いてもらってなお寝る場所まで奪うことはできない。 「細川さんは今夜はベッドでよく眠ったほうがいいですよ。色々と怖い思いをしたんですから」 「でも……」 雪乃はさらに考えた。 そもそも、晴久と別の部屋で眠るとなれば、寝室の電気を点けなければひとりでは眠れない。 人の家で電気を点けっぱなしにすることは申し訳なく、できればそうしたくなかった。 そこで別の案が思い付き、少し開いた戸から寝室の様子を覗き見ると、ベッドは広々としたダブルサイズである。 「あの……これは高杉さんが嫌じゃなければ、なんですが……」 「はい。何でしょう」 「ベッドで一緒に寝るのはどうでしょうか……?」 晴久はお茶を吹き出し、むせこんだ。 「大丈夫ですか」と雪乃は彼の背をさするが、晴久は彼女を見てさすがに赤い顔をする。
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