「大丈夫ですか」

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「皆子さん、セクハラです……」 気付けば立ち上がっていて、目立ちたくない雪乃はそろそろと腰を下ろしながら小さくなった。 皆子は舌を出して「ごめんごめん」と謝るものの、雪乃はまだ先輩を睨むことをやめない。 そもそも爆乳がバレたのも、過去に皆子がふざけて雪乃の胸を揉んだから。 軽くタッチしただけなのにそのボリュームに驚いた皆子が、「は!?」と声をあげて雪乃の胸を鷲掴みにして揉みまくった、という事件。 その前科を思い出し、雪乃は皆子に不満げな視線を送りながら、カーディガンの胸元をたぼませる。 しかし皆子は開き直った。 「顔のことも胸のことも、皆に黙っててあげてるんだから、セクハラくらいさせてよ。本当は言いふらしたいんだからね、私」 雪乃もそう言われては、何も言い返せない。 目立つ素顔と体型について、噂好きの皆子が確かに雪乃のお願いどおりに周囲に黙ってくれているのだ。今のところ。 一応、感謝はしている。
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