「連絡を取るのは控えましょう」

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「連絡を取るのは控えましょう」

◇◇◇ アラームの音で目が覚めた雪乃は、広いベッドにひとりで寝ていることに気が付いた。 乱れた髪を整えながら体を起こすと、半分開けられているカーテンの朝日に目を細める。 戸の向こうには人の気配があり、それが先に起床した晴久だと分かるとすぐにベッドを降りて戸を開けた。 晴久がソファに腰掛け、かすかな音量でテレビのニュースを流している。 「おはようございます、細川さん」 立ったままでいると、晴久が先に声をかけてきた。 「おはようございます……。すみません、先に起きてらしたんですね」 「この時間のニュースを見るのが日課なもので。ゆっくり眠れましたか?」 「はい」 「買ってきたものですが、良ければ食べて下さい」 テーブルに置かれた袋の中にはビニール包装のされたサンドイッチとペットボトルの緑茶が入っていた。 晴久が早朝に買いに行ったものである。 申し訳なさから、雪乃は胸のあたりをキュッと握った。 「すみません、何から何までしていただいちゃって……」 「いいんですよ、自分のを買ったついでです」
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