「連絡を取るのは控えましょう」

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“しまった”と赤くなる雪乃。 彼女の様子に、晴久もつられて赤くなった。 「……どうして細川さんが、それを」 「だって……昨日も言いましたが、高杉さんのこといつも見ていたので……。すみません」 昨夜、彼女に告白まがいの言葉を言われたことを思い出す。 晴久は手で口を覆いながらその意味を考えていたが、出勤前のタイムリミットがある中で話題にするのはもったいない、そう思い保留した。 「俺は出勤前にコーヒーを飲んでから行くんです。会社の人と電車で乗り合わせるのがあまり好きではないので、早い時間に乗っています。実際の始業は八時半なのですが」 「あ、私も本当は八時半です」 朝食を終えた雪乃は、晴久が家を出る時刻の少し前に出ていくことにし、荷物をまとめた。 洗濯物も全てここのものは汚さず、何もやり残していないことを確認して回る。 準備が終わり、雪乃は持ってきたトートバッグを肩に掛けると、晴久に「本当にありがとうございました」と最後の挨拶をした。
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