「連絡を取るのは控えましょう」

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「あ! おはよう雪乃ちゃん! 今日はいつもより遅いんだねぇ」 さらに皆子が後ろからやってきて、雪乃の肩を叩いた。 「皆子さん……」 皆子を振り返って「おはようございます」と言った後、視線を前に戻すと晴久が驚いた顔でこちらを見ていた。 雪乃は思わず凍りついたが、苦笑いで会釈を返す。 どうして貴方がここに、晴久の顔はしばらくそう言わんばかりだった。 晴久が雪乃に何か言う前に、彼は同僚の男に「高杉さん」と呼び止められて応対したため、ここで二人が話すことはなく過ぎていった。 雪乃は皆子とともにエレベーターに乗り、総務部のフロアへと上がっていく。 中の人が徐々に降りて減っていき、皆子と二人きりになったとき、彼女は興奮気味に口を開いた。 「雪乃ちゃん見た? さっきうちらの前にいた人。あれが営業部の課長だよ」 「……高杉さん、ですか?」 「そうそう。高杉課長! いつも話してるでしょ、超イケメンのデキ男って。朝から見られるなんて今日はついてるよ。実物は本当にイケメンだよねぇ。モデルみたい」 雪乃もウンウンと頷いた。 今までは全く興味が持てなかったのに、噂の課長があの晴久だと分かると一気に魅力的に見え、女性社員が騒ぐ気持ちが分かった。
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